大切な家族とのお別れを終えたあと。
悲しみが癒えないうちに、さまざまな手続きが待っています。
「何から始めればいいの?」
「役所には何を持っていけばいい?」
「年金や健康保険はどうすればいいの?」
「銀行口座はすぐに使えなくなるの?」
そんな不安を抱える方も少なくありません。
葬儀後の手続きには、期限が決まっているものもあります。
しかし、すべてを一度に終わらせる必要はありません。
この記事では、葬儀後に必要となる主な手続きを、期限や優先順位に沿って整理しました。
松本市・安曇野市での相談先もご案内します。
※この記事は2026年10月時点の制度を基本にした一般的な解説です。手続きの対象や必要書類は個別の状況によって異なります。
1.まず確認!葬儀後の手続き一覧
| 期限の目安 | 主な手続き |
|---|---|
| 死亡を知った日から7日以内 | 死亡届・火葬許可 |
| 原則10日または14日以内 | 年金受給者の死亡届(省略できる場合あり) |
| 原則14日以内 | 国民健康保険の資格喪失など |
| 原則14日以内 | 世帯主変更届(必要な場合) |
| できるだけ早く | 介護保険・医療費助成などの確認 |
| できるだけ早く | 銀行・生命保険・公共料金の確認 |
| 原則3か月以内 | 相続放棄・限定承認 |
| 原則4か月以内 | 準確定申告(必要な場合) |
| 原則10か月以内 | 相続税の申告・納付(必要な場合) |
※期限の起算日や対象者は手続きごとに異なります。
特に大切なのは、期限の短い手続きから確認することです。
2.死亡届と火葬許可の手続き
死亡届は、原則として死亡の事実を知った日から7日以内に市区町村へ提出します。
一般的には、葬儀社が提出を代行してくれることもあります。
死亡届には、医師が作成する死亡診断書(または死体検案書)が付いています。
提出前に必要に応じてコピーを取っておくと、その後の保険金請求などで役立つ場合があります。
確認すること
- 死亡届が提出されているか
- 火葬許可証が発行されているか
- 死亡診断書のコピーが残っているか
火葬後に受け取る書類は、納骨の際にも必要になるため、大切に保管しましょう。
3.市役所で行う手続き
亡くなった方の年齢や加入していた制度によって、必要な手続きは異なります。
① 健康保険
国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合は、資格喪失などの手続きを確認します。
また、葬儀を行った方に葬祭費が支給される制度があります。
会社の健康保険に加入していた場合は、勤務先や加入先の健康保険組合などへ確認しましょう。
② 介護保険
65歳以上の方や、介護保険の対象となっていた方は、被保険者証などの返還や保険料の精算が必要になる場合があります。
③ 世帯主の変更
亡くなった方が世帯主だった場合、残された世帯の状況によっては世帯主変更届が必要です。
一般的には、変更が必要になった日から14日以内に届け出ます。
ただし、次の世帯主が明らかな場合など、届出が不要なケースもあります。
④ その他の手続き
障害者手帳、各種医療費助成、税金、上下水道なども確認します。
市役所でまとめて確認すると、手続きの漏れを防ぎやすくなります。
4.年金の手続きは忘れずに
年金を受給していた方が亡くなった場合は、年金に関する確認も重要です。
日本年金機構にマイナンバーが登録されている場合、年金受給権者の死亡届は原則不要です。
必要な場合は、原則10日以内、国民年金は14日以内に届け出ます。
ただし、死亡届が省略できても、未支給年金の請求は別の手続きです。
亡くなった月までの年金で、まだ受け取っていない分がある場合、生計を同じくしていた一定の遺族が請求できることがあります。
また、配偶者などは遺族年金を受け取れる可能性があります。
遺族年金は加入歴や家族構成によって条件が異なるため、年金事務所で確認しましょう。
公式案内:
5.銀行口座・預貯金の手続き
亡くなった方の銀行口座は、金融機関が死亡の事実を把握すると、原則として取引が制限されます。
そのため、葬儀費用や生活費の支払いで困らないよう、早めに確認することが大切です。
ただし、亡くなった方の口座から、相続人の一人が勝手にお金を引き出すことは、後の相続トラブルにつながるおそれがあります。
預貯金には一定の条件で利用できる仮払い制度もあります。
銀行に相談し、必要な書類と手順を確認しましょう。
特に確認したいもの
- 普通預金・定期預金
- 自動引き落としの内容
- クレジットカードの利用代金
- 住宅ローンなどの借入金
- 証券口座や投資信託
- インターネット銀行などの口座
6.生命保険・医療保険の請求
生命保険に加入していた場合、受取人が保険会社へ連絡し、保険金を請求します。
保険会社によって必要書類は異なりますが、死亡診断書の写し、本人確認書類、保険証券などが必要になることがあります。
また、入院や手術をしていた場合は、死亡保険金とは別に給付金の請求対象となることもあります。
保険証券が見つからない場合も、すぐに諦めないでください。
通帳の保険料引き落とし履歴や郵便物などから、契約先を確認できる場合があります。
7.公共料金・携帯電話・各種契約の整理
意外と忘れやすいのが、毎月支払っているサービスの契約です。
例えば、次のようなものがあります。
- 電気・ガス・水道
- 固定電話・携帯電話
- インターネット回線
- 新聞・定期購読
- 動画配信サービス
- クレジットカード
- 各種会員サービス
特に、空き家になる住宅の場合は注意が必要です。
すべてをすぐに解約すると、片付けや管理に支障が出る場合があります。
例えば、電気は掃除や換気、水道は清掃などで必要になることもあります。
解約するもの・名義変更するもの・当面残すものに分けて整理するとスムーズです。
8.相続の手続きも早めに確認
葬儀後は、財産の確認も必要です。
相続するものは、預貯金や不動産などのプラスの財産だけではありません。
借入金などのマイナスの財産も含まれます。
特に注意したいのが、相続放棄の期限です。
相続放棄は原則として、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所で手続きを行います。
また、亡くなった方に確定申告が必要だった場合は、原則4か月以内に準確定申告が必要です。
相続税の申告・納付は、必要な場合、原則10か月以内です。
相続については、次回の特別編②で詳しくご紹介します。
9.松本市・安曇野市の相談窓口
ここからは、地域の皆さんに役立つ情報です。
松本市|おくやみ窓口
松本市では、死亡後の市役所手続きをまとめて案内する「おくやみ窓口」を設けています。
場所:松本市役所 東庁舎1階
代表電話:0263-34-3000
事前入力・予約制で、必要な手続きの案内を受けることができます。
市内の一部拠点では、オンライン相談も利用できます。
予約後、必要書類の案内が届くまで日数がかかる場合があります。
期限の近い手続きは、各担当課へ直接確認しましょう。
公式案内:
安曇野市|死亡後の手続き
安曇野市でも、死亡後に必要となる各種手続きを案内しています。
場所:安曇野市役所 本庁舎
所在地:安曇野市豊科6000番地
市民課電話:0263-71-2489
国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、税金、上下水道など、亡くなった方の状況に応じた手続きを確認しましょう。
公式案内:
※窓口の場所、受付方法、電話番号などは変更される場合があります。訪問前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
10.葬儀後の手続きチェックリスト
手続きの漏れを防ぐために、次の一覧を活用しましょう。
□ 死亡届・火葬許可の確認
□ 健康保険の資格喪失・葬祭費の確認
□ 介護保険・世帯主変更などの確認
□ 年金・未支給年金・遺族年金の確認
□ 生命保険・医療保険の請求
□ 銀行口座・借入金の確認
□ 電気・ガス・水道などの契約整理
□ 携帯電話・クレジットカードなどの確認
□ 相続財産・借金・遺言書の確認
□ 相続放棄・税金の期限確認
全部を一度に進める必要はありません。
まずは、期限のあるものから確認していきましょう。
11.困ったときは専門家に相談を
相続や税金の手続きは、家庭の事情によって複雑になることがあります。
例えば、遺産に借金がある、相続人同士で話がまとまらない、不動産の名義が何代も前のままになっている、といった場合です。
相談先の目安は次のとおりです。
| 相談内容 | 主な相談先 |
|---|---|
| 相続人同士の争い | 弁護士 |
| 相続放棄 | 家庭裁判所・弁護士など |
| 不動産の相続登記 | 司法書士・法務局 |
| 相続税・準確定申告 | 税理士・税務署 |
| 市役所の各種手続き | 市役所の担当窓口 |
費用が心配な場合は、自治体の法律相談や法テラスなどの相談制度も確認してみましょう。
12.まとめ|ひとつずつ進めれば大丈夫
葬儀が終わっても、ご家族には多くの手続きが残されています。
しかし、最初からすべてを理解し、完璧に進める必要はありません。
まずは期限の短い手続きを確認すること。
そして、分からないことは市役所や専門家に相談すること。
家族で役割を分担し、必要な書類を一か所にまとめておくだけでも、負担は軽くなります。
大切な人を亡くしたあとだからこそ、無理をせず、できることから少しずつ進めていきましょう。
よりみちくんのひとこと
「大切な人とのお別れのあと、すぐに元気にならなくてもいいんだよ。
手続きも、暮らしも、気持ちの整理も、一度に全部はできないから。
今日できることを、ひとつだけ。
その小さな一歩が、明日につながっていくんだと思う。
焦らず、自分の歩幅で進んでいこうね。」
次回のご案内
人生サイクル特別編②|相続の基本と手続き完全ガイド
相続人の範囲、遺言書、遺産分割、相続放棄、相続税、不動産の名義変更などを、初めての方にも分かりやすく解説します。
大切な家族が残してくれた財産について、慌てず、ひとつずつ考えていきましょう。



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