四十九日を終え、少しずつ日常の暮らしが戻ってきたころ。
やがて迎える一周忌、三回忌、七回忌。
「三回忌は亡くなってから何年後?」
「七回忌には親族全員を呼ぶの?」
「法事のお返しは『志』でいいの?」
「お供えのお菓子には黒白と黄白、どちらの掛け紙を使うの?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
今回は、松本・安曇野をはじめとする信州の慣習にも触れながら、一周忌から年忌法要までの流れ、お寺や神社へのお礼、お供え、返礼品、掛け紙の選び方をわかりやすくご紹介します。
※宗派、地域、家庭によって慣習は異なります。実際の準備では菩提寺や神職、親族などに確認しましょう。
1.一周忌・三回忌・七回忌はいつ?
まずは、仏式の年忌法要を一覧で確認しましょう。
| 法要 | 亡くなってから |
|---|---|
| 一周忌 | 満1年 |
| 三回忌 | 満2年 |
| 七回忌 | 満6年 |
| 十三回忌 | 満12年 |
| 十七回忌 | 満16年 |
| 二十三回忌 | 満22年 |
| 二十七回忌 | 満26年 |
| 三十三回忌 | 満32年 |
| 五十回忌 | 満49年 |
※宗派によって、行う年忌法要は異なります。
なぜ三回忌は2年後なの?
仏式の年忌法要では、亡くなった年を1回目として数えます。
例えば2026年10月に亡くなった場合、
- 一周忌:2027年10月
- 三回忌:2028年10月
- 七回忌:2032年10月
- 十三回忌:2038年10月
となります。
三回忌は満2年後、七回忌は満6年後。
ここは間違えやすいので覚えておきたいポイントです。
2.一周忌では何をする?
一周忌は、亡くなって満1年の節目に行う法要です。
親族などを招き、故人を偲びます。
一般的には、次のような流れで行われます。
- 僧侶による読経
- 参列者の焼香
- 必要に応じて墓参り
- 会食
- 返礼品のお渡し
ただし、法要の内容や順番は宗派や家庭によって異なります。
一周忌は命日当日に行う?
必ずしも命日当日でなくても構いません。
親族の都合などに合わせて、命日より前の土日などに行う場合もあります。
日程は菩提寺と相談しましょう。
3.三回忌・七回忌では何をする?
三回忌
亡くなって満2年の節目です。
一周忌と同様に、読経や焼香、墓参りなどを行うことがあります。
七回忌
亡くなって満6年の節目です。
一周忌や三回忌よりも規模を小さくし、近い親族だけで行う家庭もあります。
親族はどこまで呼ぶ?
全国共通の決まりはありません。
故人との関係や、これまでの法要の慣習を踏まえて判断します。
近年は家族だけで法要を行う場合もあります。
ただし、親族間で考え方が異なることもあるため、事前に相談しておくと安心です。
4.法事のお寺へのお礼「御布施」
一周忌や三回忌などで僧侶に読経をお願いする場合、一般的にお布施を用意します。
表書き
御布施
下段には施主の氏名、または家名を書きます。
黒白の結び切りでいいの?
白無地の封筒や奉書紙を使用するのが一般的です。
ただし、地域によっては黒白の結び切りを使用する場合もあります。
松本・安曇野でも、菩提寺や家庭の慣習に合わせると安心です。
金額はいくら?
お布施の金額に全国共通の決まりはありません。
一般的な年忌法要では3万〜5万円程度が目安として紹介される場合もありますが、お寺や法要の内容によって異なります。
不明な場合は、菩提寺に相談しましょう。
御車代と御膳料
僧侶が会場まで出向く場合や、会食に参加しない場合などに、御車代・御膳料を用意することがあります。
必要かどうかは、お寺の方針や状況によって異なります。
5.法事のお供えは「御供」
一周忌や三回忌などに参列する際、お菓子や果物などをお供えすることがあります。
お供えの表書き
一般的には、
「御供」
と書きます。
下段には贈り主の名前を書きます。
水引の色は?
黒白や黄白の結び切りなどが使われます。
信州でも地域や家庭によって慣習が異なるため、先方に確認すると安心です。
お供えのお菓子は何がいい?
選ぶ際には、
- 個包装で分けやすい
- 日持ちする
- 常温保存しやすい
- 故人が好きだった
- 家族や親族にも分けやすい
といった点を意識するとよいでしょう。
松本・安曇野の和菓子や焼き菓子などを選ぶのも一案です。
ただし、お供えを辞退している家庭もありますので、事前に確認しましょう。
6.法事のお返しは「志」で大丈夫?
はい。
仏式の法要のお返しには「志」という表書きが広く使われています。
一周忌、三回忌、七回忌などの返礼品にも使用できます。
返礼品の掛け紙
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 表書き | 志 |
| 名前 | 施主の姓、または〇〇家 |
| 水引 | 黒白・黄白などの結び切り |
| のし飾り | 付けない |
地域によっては「粗供養」などの表書きを使うこともあります。
「御供」と「志」の違い
ここは、ぜひ覚えておきたいポイントです。
御供:参列者などが持参するお供え物
志:施主が参列者に渡すお返し
つまり、
「持っていくお菓子は御供、お返しは志」
と覚えておくとわかりやすいですね。
7.黒白と黄白の掛け紙はどう使い分ける?
法事のお供えや返礼品では、黒白や黄白の結び切りが使われます。
| 水引 | 主な使用例 |
|---|---|
| 黒白の結び切り | 法要のお供え・返礼品など |
| 黄白の結び切り | 年忌法要のお供え・返礼品など |
| 双銀の結び切り | 弔事の贈答など |
| 水引なし | 御布施などの白無地封筒 |
四十九日は黒白、一周忌から黄白?
必ずしもそうではありません。
地域によってはそのような使い分けをする場合もありますが、全国共通の決まりではありません。
信州でも、黒白を使う家庭と黄白を使う家庭があります。
迷った場合は、親族や菩提寺、地元の贈答品店に確認しましょう。
「のし紙」と「掛け紙」は違う?
日常会話では「のし紙」と呼ぶこともありますが、弔事では正確には「掛け紙」を使用します。
のしとは、慶事の贈り物などで右上に付ける飾りのこと。
弔事では、一般的にのし飾りを付けません。
8.神式の年祭は仏式とどう違う?
神式では、仏式の年忌法要に相当する行事を「年祭」と呼びます。
神式の主な年祭
| 神式の年祭 | 時期 |
|---|---|
| 一年祭 | 満1年後 |
| 三年祭 | 満3年後 |
| 五年祭 | 満5年後 |
| 十年祭 | 満10年後 |
| 二十年祭 | 満20年後 |
| 三十年祭 | 満30年後 |
| 五十年祭 | 満50年後 |
※実施する年祭は神社や家庭によって異なります。
仏式との大きな違い
仏式の三回忌は満2年後ですが、神式の三年祭は一般に満3年後です。
名前が似ていても、数え方が違うので注意しましょう。
神職へのお礼
神式では「御祭祀料」「御礼」などの表書きが使われます。
神社によっては「御玉串料」などを用いる場合もあります。
金額や包み方については、依頼する神社に確認しましょう。
9.法事の返礼品は何を選ぶ?
法要のお返しには、お茶や海苔、菓子、日用品などが選ばれることがあります。
選ぶ際には、
- 持ち帰りやすい
- 日持ちする
- 家族で使いやすい
- 受け取る方の負担にならない
といった点を意識するとよいでしょう。
返礼品の金額は?
一般的には、いただいた御仏前やお供えなどとのバランスを考えて選びます。
ただし、会食を用意する場合などもあり、返礼品の金額に一律の決まりはありません。
親族間の慣習も参考にしましょう。
10.法要の準備チェックリスト
1〜2か月前
- 菩提寺・神社へ連絡
- 日程と会場を決定
- 親族へ案内
- 会食の有無を決定
- 墓参りの予定を確認
1〜2週間前
- 御布施・御祭祀料を準備
- お供え物を用意
- 返礼品を手配
- 掛け紙の表書きを確認
- 参列人数を確定
- 駐車場や移動手段を確認
法要当日
- 僧侶・神職への挨拶
- 法要・年祭
- 必要に応じて墓参り
- 会食
- 返礼品のお渡し
11.よくある質問
Q.三回忌は亡くなって3年後?
A.いいえ。三回忌は満2年後です。
Q.七回忌は必ず親族全員を呼ぶ?
A.必ずしも全員を招く必要はありません。家族や親族と相談して決めましょう。
Q.法事のお返しは「志」でいい?
A.はい。仏式の法要では一般的な表書きです。
Q.お供えのお菓子には何と書く?
A.一般的には「御供」と書きます。
Q.お寺へのお礼は黒白の結び切りでいい?
A.地域によって使用する場合がありますが、白無地の封筒や奉書紙が一般的です。
Q.黒白と黄白、どちらを使えばいい?
A.地域や家庭の慣習によって異なります。迷った場合は先方に確認しましょう。
Q.法事はいつまで続けるの?
A.宗派や家庭によって異なります。三十三回忌や五十回忌などを弔い上げとする場合もあります。
よりみちくんから、ひとこと
「一周忌、三回忌、七回忌……。
時間がたつと、少しずつ日常は変わっていくよね。
でも、季節が巡るたびに、ふと思い出す人がいる。
一緒に笑ったこと。
何気なく交わした言葉。
あのとき見た景色。
そんな思い出は、時間がたっても消えないんだと思う。
法事って、ただ決められた行事をするだけじゃなくて、大切な人との思い出を、もう一度心に迎える時間なのかもしれないね。
松本の春も、夏も、秋も、冬も。
季節が変わっても、感謝の気持ちはずっと変わらない。
だから、今日も大切な人を思いながら――
よりみちしよう!」
まとめ|故人を偲ぶ時間を、これからも大切に
一周忌、三回忌、七回忌。
年月がたっても、故人を思う気持ちは変わりません。
お布施やお供え、返礼品、掛け紙などにはさまざまなマナーがありますが、地域や家庭によって慣習も異なります。
大切なのは、形式だけにとらわれず、故人を思い、家族や親族とその思い出を分かち合うこと。
松本・信州の美しい四季とともに、これからも大切な人との思い出をつないでいけたらよいですね。
「松本よりみち帖」では、これからも地域の暮らしに役立つ情報をお届けしていきます。
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