松本城から歩いて行ける場所に、白と黒の「なまこ壁」が美しい、どこか懐かしい通りがあります。
それが、松本を代表する城下町散策スポット**「中町通り」**です。
中町通りの魅力は、古い蔵の町並みを見るだけではありません。
歴史ある建物を生かした工芸店や民芸店、器のお店、カフェ、甘味処、食事処などが点在し、気になる店をのぞきながら歩くこと自体が楽しみになっています。
松本城や縄手通りに比べると少し落ち着いた雰囲気ですが、ゆっくり歩いてみると「松本らしさ」がぎゅっと詰まっていることに気づきます。
今回は、中町通りの歴史から、蔵シック館、井戸、立ち寄りたいお店、グルメ、アクセス、松本城からのおすすめ散策コースまで詳しく紹介します。
- 中町通りとは?
- なぜ中町には蔵が多い?
- 中町の象徴「なまこ壁」とは?
- まず訪れたい「中町・蔵シック館」
- 中町通りで立ち寄りたい工芸・民芸のお店
- ① ちきりや工芸店
- ② 松本民芸家具・中央民芸ショールーム
- ③ 手仕事商會 すぐり
- ④ 陶片木(とうへんぼく)
- ⑤ 伊原漆器専門店
- ⑥ グレインノート
- 食べ歩き・お土産も中町散策の楽しみ
- 土曜日なら「日本一短い朝市」も
- 中町通りは「路地」も歩いてみてほしい
- 中町通りの写真を撮るなら
- 縄手通りとの違いもおもしろい
- 松本城から中町まで歩いてみよう
- 中町通りへのアクセス
- 中町通りはどのくらい時間を取ればいい?
- 中町通りはこんな人におすすめ
- まとめ|中町は「歩くほど好きになる」松本の町
- 中町通り 基本情報
中町通りとは?
中町通りは、松本市中心部を通る旧善光寺街道沿いに発展した歴史ある商店街です。
江戸時代の松本城下では、本町・東町とともに「親町三町」のひとつとして栄え、多くの商人が暮らしていました。
現在も通りには蔵造りの建物が残り、白壁に黒い格子状の装飾を施した「なまこ壁」が中町を象徴する景観になっています。
しかし、中町は単に古い建物を保存しているだけの町ではありません。
昔の建物を利用しながら、工芸、民芸、飲食、ファッションなど新しい文化も取り入れています。
「昔の松本」と「今の松本」が同じ通りの中に共存している。
そこが中町通りのおもしろさです。
なぜ中町には蔵が多い?
中町を歩く前に、ぜひ知っておきたい歴史があります。
中町周辺は、かつて何度も大火に見舞われました。
特に明治21年(1888年)の大火では大きな被害が発生。
そこで商人たちは、大切な商品や財産を火災から守るため、耐火性に優れた「土蔵造り」の建物を建てるようになりました。
現在、中町で見ることのできる蔵の町並みには、当時の人々の「火災から町と財産を守りたい」という知恵が込められているのです。
そう考えて町並みを見ると、白黒の壁も単なる「レトロでおしゃれな景観」ではなくなってきます。
中町の象徴「なまこ壁」とは?
中町でぜひ注目してほしいのが、白い壁に黒い格子模様が入った「なまこ壁」です。
壁に貼った平瓦の継ぎ目を漆喰で盛り上げて仕上げる伝統的な工法で、その形が海にいるナマコに似ていることから「なまこ壁」と呼ばれています。
防火性や耐久性を高める実用的な役割を持ちながら、独特の美しさもあります。
中町通りを歩くときは、ぜひ建物一軒一軒の壁にも目を向けてみてください。
同じように見えて、建物によって表情が少しずつ違います。
まず訪れたい「中町・蔵シック館」
中町散策の中心にしたいのが**中町・蔵シック館(松本市中町蔵の会館)**です。
かつて中町に隣接する宮村町にあった造り酒屋「大禮酒造」の建物を移築・再生した施設で、平成8年(1996年)に開館しました。
母屋・土蔵・離れの3棟があり、母屋と土蔵は明治21年の大火直後に建てられたといわれています。
建物の中へ入ったら、ぜひ上を見上げてみてください。
土間の上に広がる豪快な梁組みは見応えがあります。
座敷なども昔の姿を感じられるよう復元され、母屋と離れは通常、観光客も無料で見学できます。
中町を歩くなら、町並みを見るだけで終わらせず、ここまで入ってみるのがおすすめです。

蔵シック館 基本情報
住所:長野県松本市中央2丁目9-15
開館時間
夏季 9:00~17:30
冬季 9:00~17:00
休館日
12月29日~1月3日
見学
母屋・離れは通常無料
※貸館などで利用されている場合があります。
中町・蔵シック館(松本市中町蔵の会館)HP
「中町蔵の井戸」で松本の水に触れる
蔵シック館の前にあるのが中町蔵の井戸です。
昔懐かしい手押しポンプを動かすと水を汲むことができます。
実は松本は、北アルプスなどからもたらされる豊かな地下水に恵まれた「水のまち」。
市街地を歩いていると、いたるところで井戸や湧水を見ることができます。
中町の井戸も、そんな松本らしさを感じられる場所のひとつです。
蔵シック館の建物と合わせて、ぜひ立ち寄ってみてください。

中町通りで立ち寄りたい工芸・民芸のお店
ここからが、中町散策のおもしろいところです。
中町には、松本らしい「手仕事」に出会えるお店がたくさんあります。
① ちきりや工芸店
中町を代表する工芸店のひとつ。
全国各地の陶器や郷土民芸品をはじめ、実用的な品からアジアの雑貨まで幅広く扱っています。
「見るだけでも楽しい」という言葉がよく似合うお店で、中町らしい民芸の世界に触れてみたい人にはぜひ立ち寄ってほしい一軒です。
住所:松本市中央3-4-18
営業時間:10:00~17:30
定休日:火・水曜日
② 松本民芸家具・中央民芸ショールーム
「松本の民芸」と聞いて、松本民芸家具を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
松本民芸家具は、職人の手仕事による重厚な家具で知られています。
中央民芸ショールームでは、椅子をはじめとする松本民芸家具を見ることができます。
すぐに家具を購入する予定がなくても、「松本のものづくり」を知る場所として立ち寄る価値があります。
中町が単なる観光商店街ではなく、今も工芸文化が息づいている町であることを感じられる場所です。
住所:松本市中央3丁目2-12
③ 手仕事商會 すぐり
中町らしい「手仕事」を探したいなら、こちらもおすすめ。
店名の通り、クラフトを扱うお店です。
大量生産品とは少し違う、作り手の温かさが感じられる品に出会えるのが魅力。
中町散策の途中で「自分への松本土産」を探すのにも向いています。
住所:松本市中央3-2-13
営業時間:11:00~17:00
定休日:水曜日
※1~2月は水・木曜日休み
④ 陶片木(とうへんぼく)
器が好きな人なら立ち寄ってみたいのが「陶片木」。
中町の蔵の町並みによく似合う、器・民芸のお店です。
旅先で買った器は、家に帰ってから使うたびに旅の風景を思い出させてくれます。
松本旅行の「形に残る思い出」を探してみるのもいいですね。
住所:松本市中央3-5-10
定休日:火・水曜日
⑤ 伊原漆器専門店
明治40年(1907年)創業という歴史ある漆器専門店です。
蔵造りの建物も中町の雰囲気にぴったり。
木曽漆器をはじめ、山中・会津・越前などの漆器を扱っています。
「伝統工芸品は飾るもの」というイメージがあるかもしれませんが、日常で使える品もあります。
唐獅子と牡丹の看板も目印です。
住所:松本市中央2-10-16
営業時間:10:00~18:30
定休日:水曜日
⑥ グレインノート
注文家具とクラフト品を扱うお店。
1階では地元作家を中心に、陶器、木製小物、アクセサリー、布、ガラスなどを見ることができます。
2階には椅子やテーブルなどが展示されています。
「松本はクラフトの町」といわれる理由を、観光客にもわかりやすく感じさせてくれる一軒です。
住所:松本市中央3-5-5
営業時間:10:00~18:00
定休日:水曜日
食べ歩き・お土産も中町散策の楽しみ
工芸店だけではありません。
中町には、散策途中に立ち寄りたい食のお店もあります。
おやき髙峯 中町店
信州に来たら一度は食べてみたい郷土食「おやき」。
松本駅アルプス口近くで長年おやきを製造・販売してきた「おやき髙峯」の2号店です。
テイクアウトできるので、中町散策との相性も抜群。
観光客にとって「信州に来た!」と感じられる食べ物のひとつではないでしょうか。
住所:松本市中央2-4-13
営業時間:10:00~17:00
定休日:水曜日
竹風堂 松本中町店
栗菓子で知られる竹風堂。
松本中町店は1981年の開店以来、中町で親しまれてきました。
栗菓子の販売だけでなく、店内では栗おこわなどの食事も楽しめます。
さらに地下水を利用した池庭が設けられているのも特徴。
町歩きの途中で少し落ち着いて休憩したいときにもおすすめです。
住所:松本市中央3-4-20
販売:8:00~18:00
飲食:10:00~
※飲食の営業時間等は変更される場合があります。
cafe SENRI(茜里)
甘いものが欲しくなったら立ち寄りたい小さなカフェ。
ジョン・レノンをはじめ多くの著名人に愛されたとされるロイヤルスウィートバニラソフトクリームを楽しめます。
ソフトクリームだけでなく、クレープや信州産そば粉を使ったメニューなどもあります。
中町散策の休憩スポットとして覚えておくと便利です。
住所:松本市中央2-9-11
営業時間:10:00~18:00(季節による変更あり)
定休日:水曜日
お腹が空いたら「麺州竹中」
中町でラーメンという選択肢もあります。
麺州竹中では、松本の湧き水を使い、鶏の旨味を生かしたスープのラーメンを提供しています。
歴史ある蔵の町を歩いたあとにラーメン。
一見すると意外な組み合わせですが、「古いものだけではない現在の中町」を感じられるお店のひとつです。
住所:松本市中央2-10-17
営業時間:11:30~21:00(途中休憩あり)
定休日:水曜日
※材料終了などで早めに営業を終了する場合があります。
土曜日なら「日本一短い朝市」も
4月から12月の毎週土曜日、朝9時30分から中町では朝市が開かれています。
並ぶのは、地元農家が持ち寄った新鮮な野菜や季節の花など。
ところが、人気のためわずか10分ほどで売り切れてしまうこともあるそうです。
そこから付いた呼び名が、
「日本一短い朝市」
中町を訪れる日が土曜日なら、少し早めに出かけてみるのもおすすめです。
観光地としての中町とは少し違った、地元の暮らしに近い風景を見ることができます。
開催期間:4月~12月
開催日:毎週土曜日
開始:9:30~
※天候等によって変更される可能性があります。
中町通りは「路地」も歩いてみてほしい
中町では、メインの通りだけを歩いて帰るのは少しもったいないです。
気になる横道があったら、少しだけ入ってみてください。
蔵の横に続く細い路地。
古い木造建築。
軒先の小さな看板。
井戸。
店先に並ぶ工芸品。
観光名所として整備された場所だけではない、普段の松本の表情に出会えることがあります。
もちろん私有地には入らず、住んでいる方への配慮を忘れずに。
「ちょっと寄り道してみる」。
中町は、そんな歩き方がとても似合う町です。
中町通りの写真を撮るなら
中町は写真好きにもおすすめです。
特に撮りたいのは、
・白壁と黒いなまこ壁
・蔵が並ぶ通り
・蔵シック館
・中町蔵の井戸
・古い看板や店構え
・工芸店の外観
・細い路地
・夕方の蔵の町並み
など。
晴れた日の青空と白壁の組み合わせもきれいですが、個人的には曇りの日や雨上がりの中町もおすすめです。
少し落ち着いた光の中で見る蔵は、晴天とは違った味わいがあります。
縄手通りとの違いもおもしろい
中町通りから女鳥羽川を渡れば、縄手通りはすぐ近くです。
この2つの通りは近いのに、雰囲気がかなり違います。
縄手通りは、カエルのオブジェや昔ながらのお店などが並ぶ、にぎやかで親しみやすい通り。
一方、中町通りは蔵や工芸品店が並ぶ、少し落ち着いた大人の雰囲気があります。
どちらが上ということではありません。
むしろ両方歩くことで、松本の町の表情の豊かさがわかります。
松本城から中町まで歩いてみよう
中町通りだけを目的地にするより、松本城から歩いてくるのがおすすめです。
例えば、
松本城
↓
四柱神社
↓
縄手通り
↓
女鳥羽川
↓
中町通り
↓
蔵シック館
↓
工芸店・カフェ巡り
↓
松本駅
というコース。
松本の代表的な観光スポットを徒歩でつなげられます。
ただし、単純に歩くだけならそれほど時間はかかりませんが、中町ではお店をのぞき始めると時間が足りなくなります。
できれば時間に余裕を持って歩いてみてください。
中町通りへのアクセス
JR松本駅から
松本駅お城口から徒歩約15分。
バス
松本駅お城口からタウンスニーカー東コースを利用。
「中町・蔵シック館」下車。
乗車時間は約5分です。
車
松本ICから約15分。
中町周辺には駐車場がありますが、中町・蔵シック館そのものには一般観光客向けの駐車場はありません。
休日や観光シーズンは中心市街地が混雑することもあります。
松本城・縄手通り・四柱神社・中町は歩いて巡れるため、一度車を駐車して徒歩で散策する方法もおすすめです。
中町通りはどのくらい時間を取ればいい?
町並みを見るだけなら、それほど長い時間は必要ありません。
しかし、中町の本当のおもしろさは「お店に入ること」にあります。
さっと散策
30~45分程度
蔵シック館+お店を数軒
1~1時間30分程度
食事・カフェ・買い物まで楽しむ
2時間程度
松本城や縄手通りと組み合わせる場合は、半日ほど確保しておくとゆっくり楽しめます。
中町通りはこんな人におすすめ
中町は、
・城下町の雰囲気が好き
・古い建物が好き
・写真を撮りながら歩きたい
・器や民芸品が好き
・松本のクラフト文化に触れたい
・信州らしいお土産を探したい
・にぎやかな観光地より落ち着いた場所が好き
・松本城だけではなく「松本の町そのもの」を歩きたい
という人に特におすすめです。
まとめ|中町は「歩くほど好きになる」松本の町
松本観光というと、まず思い浮かぶのは国宝松本城かもしれません。
しかし、お城から少し歩くだけで、こんなにも松本らしい町並みが残っています。
大火を乗り越えて残された蔵。
白と黒のなまこ壁。
今も使われる井戸。
受け継がれてきた民芸や工芸。
そして、古い建物の中で営まれる新しいお店。
中町通りは、過去をそのまま保存している町ではありません。
昔から受け継がれてきたものを、今の暮らしの中で使い続けている町。
そこに、中町ならではの魅力があるように感じます。
松本城を見たあと、すぐ駅へ戻ってしまうのは少しもったいない。
縄手通りから橋を渡って、ぜひ中町まで足を延ばしてみてください。
そして目的地だけを目指さず、気になる蔵を眺めたり、お店をのぞいたり、井戸に立ち寄ったり。
そんな「よりみち」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
中町通り 基本情報
所在地:長野県松本市中央2~3丁目周辺
アクセス:JR松本駅お城口から徒歩約15分
バス:タウンスニーカー東コース「中町・蔵シック館」下車
車:松本ICから約15分
主な見どころ:蔵の町並み・なまこ壁・中町蔵シック館・中町蔵の井戸・民芸店・工芸店・飲食店など
おすすめの組み合わせ:松本城・四柱神社・縄手通り
散策料金:無料
※掲載している営業時間・定休日・イベント等は変更される場合があります。訪問前に各店舗・中町商店街等の最新情報をご確認ください。中町商店街振興組合 公式サイト



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