第12話|小さな変化が、静かに自信へ変わった日

人生アップデート

ある日、ふと気づいた。
「あれ、前ほど不安に振り回されていないかもしれない」

以前の私は、いつも答えを急いでいた。
正解はどこにあるのか。
自分は間違っていないか。
そんなことばかりを考えて、動く前から疲れていた。

何か大きな出来事があったわけじゃない。
環境が劇的に変わったわけでもない。
それなのに、心の中のざわつきが、少しだけ静かになっていた。

変わりたい気持ちは強かった。
でもその分、「変われていない自分」を責めていた。
努力しているはずなのに、前に進んでいる実感がなくて、
気づけば自信なんて、ますます遠ざかっていた。

あるとき、考え方を変えた。
何かを足そうとするのをやめて、
代わりに、比べることをやめてみた。

昨日の自分と、今日の自分。
それだけを見て、
「今日はこれで十分だ」と言ってみた。

最初は違和感しかなかった。
甘えているんじゃないか。
成長が止まるんじゃないか。
そんな声が、頭の中で何度も聞こえた。

それでも、やめなかった。
無理に前向きになろうとせず、
無理に自信を持とうともしなかった。

ただ、できたことを一つだけ認める。
それだけを、毎日続けた。

すると不思議なことが起きた。
自信を「出そう」としなくなった頃から、
不安が、前ほど力を持たなくなっていた。

気づけば、以前なら立ち止まっていた場面でも、
少し考えて、少し迷って、それでも一歩踏み出している自分がいた。

自信は、作るものじゃなかった。
気合で身につけるものでもなかった。
静かな納得が、後からついてくるものだった。

人生が変わる瞬間は、たいてい地味だ。
誰にも気づかれないし、
自分でさえ、しばらく気づかない。

でも、心が少し軽い。
明日を考えるとき、以前ほど怖くない。
それだけで、十分すぎるほどの前進だと思う。

もし今、
「自分は何も変われていない」と感じているなら、
それは、まだ気づいていないだけかもしれない。

変化はいつも、静かに始まる。
そして、自信はそのあとから、そっと追いついてくる。

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