第8話|やる気じゃなくて、腹落ちが先に来た日

人生アップデート

第7話をアップした夜。
ひと息ついて、いつものようにスマホでブログを開いた。

……アクセスは、相変わらず大きくは動いていない。

「まあ、そんなもんだよな」

口ではそう言いながら、胸の奥が小さくザワつく。
“頑張ったら報われる”って、どこかで信じている自分がいる。
でも現実は、そんなに分かりやすくはない。

パソコンを開いて、記事をもう一度読み返す。
ちゃんと書けてる。
自分なりに、嘘はない。
それなのに、何かが足りないような気がしてしまう。

足りないのは、文章のテクニック?
タイトル?
SEO?
それとも……自分の覚悟?

そうやって考え始めると、頭の中が急に忙しくなる。
やるべきことのリストだけが増えていく。

そして、気づいた。

「……俺、また“正解探し”してるな」


若い頃は、勢いで何とかなった。
多少、無茶をしても体力で押し切れた。
失敗しても、次の日には切り替えられた。

でも今は違う。

気合だけで突っ走ろうとすると、どこかで息切れする。
勢いが落ちた瞬間に、「向いてないのかも」と不安が顔を出す。

50代って、こういうところが絶妙にしんどい。
経験があるぶん、現実も見えてしまう。
一方で、若い頃みたいに何でも試せるほどの余力はない。

“分かってるのに進めない”
この感じ。

たぶん、同じ気持ちの人、けっこういるんじゃないだろうか。

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その夜、コーヒーを入れて、机に座った。
ノートも開いた。
だけど、何を書けばいいか分からない。

それでも、ぼーっと画面を見ながら考えていたら、
ふと、思った。

「俺は、結果がほしいんだ」

当たり前だ。
時間も手間もかけてる。
できれば早く、手応えがほしい。

でも、次にこうも思った。

「……俺、結果を急ぐあまり、“続ける力”を削ってないか?」

結果が出ないことに焦って、
他の人の成功例を探して、
正解を探して、
どんどん自分のペースが壊れていく。

そして最終的に、手が止まる。

これ、過去にも何度かあった。
何かを始めて、少し頑張って、
手応えが出ないと、いつの間にかフェードアウトする。

最初は「忙しかったから」
次は「タイミングが悪かったから」
最後は「向いてなかったから」

そうやって、理由を作って終わらせてきた。

でも、本当は違う。

“続ける覚悟”が決まってなかっただけかもしれない。

……いや、覚悟っていうより、
“腹落ち”してなかったんだ。


その瞬間、妙に静かになった。

気合を入れるとか、モチベーションを上げるとか、
そういう話じゃない。

「やる」って決めたなら、
結果が出るまで“降りない”
それだけなんだ。

人生って、たぶんそういうものなんだろう。

勝ちにいくより、まず降りない。
完璧を目指すより、まず続ける。
一発逆転より、積み上げる。

これを頭で分かってるつもりだった。
でも、ようやく腹の底で分かった気がした。


そこで、方針を少しだけ変えることにした。

毎日更新じゃなくていい。
無理に気合いを入れなくていい。
“続けられる形”を最優先にする。

たとえば、

  • 書けない日は、メモだけでも残す

  • 60点でも出す(出さないよりマシ)

  • 迷ったら「読者が一番知りたいこと」に戻る

この3つを守ろうと思った。

大きい決意じゃない。
でも、こういう小さな転換の方が、
今の自分には効く気がした。


最後に、ノートに一行だけ書いた。

「たぶん、ここからが本当のスタートだ」

第7話までが助走で、
第8話からが本番。

派手な変化はない。
でも、静かに芯が通った感じがする。

焦りは消えない。
不安もゼロじゃない。

それでも。

「続けよう」

そう思えた夜だった。

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