朝、スマホを開く。
アクセス数は、相変わらず静かなままだった。
「まあ、そうだよな」
そう呟いて、ため息をつくでもなく、画面を閉じる。
不思議と心は乱れていなかった。
以前の自分なら、数字を見た瞬間に気持ちが沈み、
「意味があるのか?」
「誰も見ていないのに?」
そんな声が、頭の中を占領していたはずだ。
でも今は違う。
書いている時間そのものが、
自分を整えてくれている感覚があった。
文章にすると、考えが整理される。
書き終えると、少しだけ前に進めた気がする。
それは、誰かの評価とは関係のない、確かな実感だった。
——これって、いつからだろう。
思い返せば、最初は結果ばかりを追っていた。
数字、反応、評価。
それがなければ「失敗」だと、勝手に決めつけていた。
でも今は、
「今日も書いた」
「逃げずに向き合った」
それだけで、胸の奥が少し温かくなる。
誰にも読まれていないこの時間は、
決して無駄じゃない。
むしろ、
一番大事な準備期間なのかもしれない。
芽が出る前の土の中。
誰にも見えないところで、根が伸びている。
焦らなくていい。
比べなくていい。
この静けさの中で、自分は確実に変わっている。
スマホを置き、深く息を吸う。
そして、またキーボードに向かった。
——今日も、書こう。
未来の自分のために。


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