朝は特別なこともなく始まった。
目覚ましに驚くこともなく、ため息も出ない。
昨日と同じように起きて、同じように顔を洗って、同じようにコーヒーを淹れた。
「今日も、何も起きなかったな」
ふと、そんな言葉が頭をよぎる。
以前の自分なら、ここで少し焦っていたはずだ。
何かしなきゃ、変わらなきゃ、結果を出さなきゃ——
“動いていない自分”を、責める材料を探していた。
でも、今日は違った。
何も起きていないのに、心が落ち着いている。
数字を見ても、必要以上に一喜一憂しない。
「まあ、今日はこれでいいか」と、自然に思えた。
気づけば、考え方が変わっていた。
以前は「成果が出た日」だけが前進だった。
アクセスが増えた日、誰かに褒められた日、
目に見える“変化”がない日は、全部停滞だと思っていた。
でも今は、違う。
淡々と続けた日。
無理に頑張らなかった日。
不安に飲み込まれず、静かに過ごせた日。
そういう日こそ、
“ちゃんと自分を信じていた証拠”なんじゃないかと思えた。
変わるって、何かを足すことじゃない。
気負いを減らして、比べる癖を手放して、
「このままで進んでいい」と許すこと。
それができた日は、
外から見れば何も起きていない。
でも内側では、確かに地盤が固まっている。
今日も大きな成果はない。
でも、戻っていない。
揺らいでも、折れていない。
「この調子でいい」
そう思えた自分が、
少しだけ誇らしかった。
静かな一日だった。
そして、確実に前に進んだ一日だった。


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