第7話をアップした夜。
ひと息ついて、いつものようにスマホでブログを開いた。
……アクセスは、相変わらず大きくは動いていない。
「まあ、そんなもんだよな」
口ではそう言いながら、胸の奥が小さくザワつく。
“頑張ったら報われる”って、どこかで信じている自分がいる。
でも現実は、そんなに分かりやすくはない。
パソコンを開いて、記事をもう一度読み返す。
ちゃんと書けてる。
自分なりに、嘘はない。
それなのに、何かが足りないような気がしてしまう。
足りないのは、文章のテクニック?
タイトル?
SEO?
それとも……自分の覚悟?
そうやって考え始めると、頭の中が急に忙しくなる。
やるべきことのリストだけが増えていく。
そして、気づいた。
「……俺、また“正解探し”してるな」
若い頃は、勢いで何とかなった。
多少、無茶をしても体力で押し切れた。
失敗しても、次の日には切り替えられた。
でも今は違う。
気合だけで突っ走ろうとすると、どこかで息切れする。
勢いが落ちた瞬間に、「向いてないのかも」と不安が顔を出す。
50代って、こういうところが絶妙にしんどい。
経験があるぶん、現実も見えてしまう。
一方で、若い頃みたいに何でも試せるほどの余力はない。
“分かってるのに進めない”
この感じ。
たぶん、同じ気持ちの人、けっこういるんじゃないだろうか。
その夜、コーヒーを入れて、机に座った。
ノートも開いた。
だけど、何を書けばいいか分からない。
それでも、ぼーっと画面を見ながら考えていたら、
ふと、思った。
「俺は、結果がほしいんだ」
当たり前だ。
時間も手間もかけてる。
できれば早く、手応えがほしい。
でも、次にこうも思った。
「……俺、結果を急ぐあまり、“続ける力”を削ってないか?」
結果が出ないことに焦って、
他の人の成功例を探して、
正解を探して、
どんどん自分のペースが壊れていく。
そして最終的に、手が止まる。
これ、過去にも何度かあった。
何かを始めて、少し頑張って、
手応えが出ないと、いつの間にかフェードアウトする。
最初は「忙しかったから」
次は「タイミングが悪かったから」
最後は「向いてなかったから」
そうやって、理由を作って終わらせてきた。
でも、本当は違う。
“続ける覚悟”が決まってなかっただけかもしれない。
……いや、覚悟っていうより、
“腹落ち”してなかったんだ。
その瞬間、妙に静かになった。
気合を入れるとか、モチベーションを上げるとか、
そういう話じゃない。
「やる」って決めたなら、
結果が出るまで“降りない”
それだけなんだ。
人生って、たぶんそういうものなんだろう。
勝ちにいくより、まず降りない。
完璧を目指すより、まず続ける。
一発逆転より、積み上げる。
これを頭で分かってるつもりだった。
でも、ようやく腹の底で分かった気がした。
そこで、方針を少しだけ変えることにした。
毎日更新じゃなくていい。
無理に気合いを入れなくていい。
“続けられる形”を最優先にする。
たとえば、
-
書けない日は、メモだけでも残す
-
60点でも出す(出さないよりマシ)
-
迷ったら「読者が一番知りたいこと」に戻る
この3つを守ろうと思った。
大きい決意じゃない。
でも、こういう小さな転換の方が、
今の自分には効く気がした。
最後に、ノートに一行だけ書いた。
「たぶん、ここからが本当のスタートだ」
第7話までが助走で、
第8話からが本番。
派手な変化はない。
でも、静かに芯が通った感じがする。
焦りは消えない。
不安もゼロじゃない。
それでも。
「続けよう」
そう思えた夜だった。



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