思考を拾う老人|第11話 老人が来ない日|一人で考える時間の大切さ

思考を拾う老人
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支えが消えたとき、本当の自分が出る

その日も
私はいつもの公園に立ち寄った。

夕方の空は
やわらかい色をしている。

大きな木の葉が
風でゆっくり揺れていた。

私は
いつものベンチに座った。

だが
その日は

老人はいなかった。

私は
少し周りを見た。

公園は
いつもと同じだった。

子どもの声は消え
静かな時間が流れている。

私は
しばらく座っていた。

だが
老人は現れなかった。

「今日は来ないのか」

私は
小さくつぶやいた。

それから
しばらく空を見ていた。

夕方の空は
ゆっくり暗くなっていく。

そのとき
ふと気づいた。

私は
あまり不安を感じていなかった。

以前の私なら
落ち着かなかっただろう。

何か
大事なものを失ったように
感じていたかもしれない。

だが今は
違った。

私は
静かに座っていられた。

私は
ポケットからノートを取り出した。

そして
新しいページを開いた。

そこに
ゆっくり書いた。


老人は
今日来なかった。


それを書いて
少し考えた。

私は
この数か月を思い出していた。

思考を書く習慣。

小さな芽。

三万円。

減った収益。

静かな自信。

余白。

それらは
すべて

老人の言葉から
始まっていた。

だが
今は

老人がいなくても
続けられている。

私は
ふとベンチの前を見た。

あの芽は
すっかり小さな木になっていた。

細いが
しっかり立っている。

私は
少し笑った。

そのとき
気づいた。

老人は

思考を
拾っていたのではない。

ただ

思考を拾う方法を
教えてくれただけ

だったのだ。

私は
ノートにもう一行書いた。


もう
拾える。


夕方の空は
ゆっくり暗くなっていく。

私は
ベンチから立ち上がった。

帰ろうとしたとき
ふと振り返った。

老人は
いなかった。

だが
不思議と

寂しいとは
思わなかった。

私は
静かに思った。

きっと

これでいいのだ。

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